仏沼の草花 09

仏沼の草花 Vol.9

ヒツジグサ・ノハナショウブ・ホロマンノコギリソウ・トモエソウ

ヒツジグサ
未草

スイレン科スイレン属

33-1.jpg 33-2.jpg写真 久保清子

 日本全域の池や沼に生える多年草です。茎は短く水中の泥の中に直立し、葉は根生で長い柄があり楕円形、長さは10〜20cmで基部に深い切れ込みがあり水面に浮かびます。花は白色で直径4〜8cm、花弁は先端が尖り日中に開き夜になると閉じますが曇りのときは開きません。未草の名前の由来は未の刻(ひつじのこく・午後2時)に開くからということですが天気の良い日の1時頃には開いています。花期6〜9月(文 三国 孝)

ノハナショウブ
野花菖蒲

イネ科チヂミザサ属

34-1.jpg34-2.jpg写真 久保清子

北海道から九州の湿地に生える草丈40〜80cmの多年草です。葉は先端が尖り長さ30〜60cm、巾0.6〜1.2cmで、中央の葉脈が目立ち、花は大きく赤紫色で黄色いスジがあるのが特徴です。たくさんの品種がある園芸種の花菖蒲はノハナショウブから作られました。ノハナショウブと同じ頃に咲くキショウブはヨーロッパ原産の多年草ですが栽培していたものが野生化して各地で見られます。花期6〜7月。月。(文 三国 孝)

ホロマンノコギリソウ
幌満鋸草

キク科ノコギリソウ属

35-1.jpg35-2.jpg写真 久保清子

北海道、本州中部以北に分布して、主に海岸の湿地に生える草丈40〜80cmの多年草です。葉は普通のノコギリソウより中央のスジの幅が広いのですが、葉だけではなかなか区別はつきにくいと思います。花は白から薄いピンクで直径は12〜14mmあり、ノコギリソウよりやや大きめで海岸の開発などによる絶滅が危惧されています。ホロマン(幌満)とは北海道の地名でキタノコギリソウの別名もあります。仏沼には他にノコギリソウ、セイヨウノコギリソウも道端に繁殖しています。花期7〜9月。(文 三国 孝)

トモエソウ
巴草

オトギリソウ科オトギリソウ属

36-1.jpg36-2.jpg写真 久保清子

北海道から九州までの日当たりの良い山地や草地に自生する草丈50〜100cmの多年草です。葉は対生で4本の稜がある茎を抱きます。黄色い大きな花は直径約5cmで花弁が捻じれており、巴型に見えることからこの名前が付いています。巴とは弓を射るときの鞆(とも)からきていて日本古来の模様のひとつです。花は一日でしぼみ大きな種をつけます。同じ仲間には庭によく植えられるビヨウヤナギ、キンシバイなどがあります。花期7〜8月(文 三国 孝)