仏沼の草花 05

仏沼の草花 Vol.5

・ハチジョウナ・ナンテンハギ

ハチジョウナ
八丈菜

キク科ノゲシ属

17-1.jpg17-2.jpg写真 久保清子

  日本全国に生育しますが、北国の海岸の砂地や荒地に小群落を作ることの多い多年草です。草丈は30〜80cmで茎には稜があり、葉の裏側が白く地下茎をのばして増えます。花は鮮やかな黄色で直径3〜4cmあり、ノゲシの仲間では大きめです。夏から咲きだしますが秋の終りの雪の降る頃まで咲いています。仏沼では周辺の休耕田によく見られます。花期8〜10月。(文 三国 孝)

ナンテンハギ
南天萩

 マメ科ソラハギ属

18-1.jpg18-2.jpg写真 久保清子

 全国の山野に生える草丈30〜60cmの多年草です。普通ソラマメ科の葉は先端に巻きひげがあり、羽状で何枚かあるのですが、このナンテンハギの葉は2枚しかなく巻きひげもほとんでありません。その様子がメギ科のナンテンに似ているのでナンテンハギという名前なのです。別名のフタバハギも葉のつき方からきています。赤紫色の花は長さ約1.5cmで茎の片側にそろって咲きます。若い芽はアズキナと呼ばれる山菜で、昔から利用されています。花期6〜10月。(文 三国 孝)

ハッカ
薄荷

 シソ科ハッカ属

19-1.jpg19-2.jpg写真 久保清子

 北海道から九州の湿地に生える草丈20〜60cmの多年草です。茎は四角で、対生した上部の葉の脇に長さ4〜5mmの薄紫色の花が集まって、茎を取り巻くように数段咲きます。葉をもむとすっきりとした香りがするので昔から胃薬、痛み止めなどの薬用として、またハッカ酒などに使われてきました。同じ仲間でヨーロッパ原産のペパーミントやスペアミントもハーブとして親しまれています。ハッカはドライフラワーにしても長い間良い香りがします。花期8〜10月。(文 三国 孝)

ウメバチソウ
梅鉢草

 ユキノシタ科ウメバチソウ属

20-1.jpg20-2.jpg写真 久保清子

 日本各地の山地や日当たりの良い湿地に生える草丈10〜30cmの多年草です。葉はハート型で細い茎を包むようにつき、茎の先に直径2〜2.5cmの白い梅に似た清楚な花を一個つけ、ツボミは丸くかわいい感じです。ウメバチソウは環境の良い場所なら平地でも咲きますが、今はほとんど山地に生えています。仏沼以外の平地でも咲いていますが、人がほとんど行けない場所です。仏沼のウメバチソウも他の植物に負けてしまう恐れがあり、ある程度の管理は必要かも知れません。花期8〜10月。。(文 三国 孝)