仏沼の草花 Vol.8
タチアザミ・チジミザサ・ヒメスイバ・ウマノアシガタ
タチアザミ
立薊
キク科アザミ属
写真 久保清子
日本固有のアザミで主に東北地方北部や北海道の湿地に分布する高さ1〜2mの多年草です。葉は他のアザミによく見られる切れ込みは少なく茎は赤みを帯びています。花は淡紫色で上を向いて咲きますが、総苞といわれる花の下部を包む部分の総苞片がまっすぐで長く、ほとんど反り返ることはないのが特徴で粘り気もありません。花期8〜10月(文 三国 孝)
チヂミザサ
縮笹
イネ科チヂミザサ属
写真 久保清子
山地や野原、道端などに生える高さ10〜30cmの多年草です。夏から秋にかけて先端に紫褐色の毛がある緑色の穂を出しますが、小さい穂には粘り気があり人の衣服や動物に付いて運ばれてゆきます。また毛の生えた茎の下部からも根を出します。名前は葉のふちが笹のように縮れていることからつきました。仲間にはコチヂミザサ、ケチヂミザサモあります。花期8〜10月。(文 三国 孝)
ヒメスイバ
姫酸い葉
タデ科ギシギシ属
写真 久保清子
明治時代にヨーロッパから入ってきた帰化植物で北海道、本州、四国、九州の道端、畦道、荒れ地などに分布している多年草です。日本各地に自生するスイバより小型で草丈は20〜50cm。雌雄異株で雌花は赤色、雄花は黄色の2mmくらいの小さな花をつけます。細い根をのばし増えて行くので畑などに入り込むと厄介な植物ですが真っ赤な花はとてもきれいです。花期5〜8月。(文 三国 孝)
ウマノアシガタ
馬の脚型
キンポウゲ科キンポウゲ属
写真 久保清子
日本全国の日当たりの良い草地、道端に見られる多年草です。直径1.5〜2cmの花はバターカップという英名もぴったりのつやのある黄色で、葉には深い切れ込みがあり、それを馬のひずめに見立てたということですがあまり似ていません。最近はキンポウゲと言われていますが、キンポウゲ(金鳳花)は江戸時代に八重咲きの園芸種につけられた名前だそうです。有毒植物なので注意が必要です。花期4〜6月。(文 三国 孝)